「何とかなるさ!」
「頑張っているのに報われない」「この先ちゃんと生きて行けるか不安だ」・・・人は皆、多かれ少なかれ不安や悩みを抱いている。そうした不安たちとどのように向き合えばいいのか。いつまでも悩み続けていても、何も始まらない。
東レ株式会社元取締役の佐々木常夫氏が、自分の壮絶な半生から学んだ哲学とは・・・
佐々木氏の人生は順風満帆ではない。肝臓病とうつ病を患い自殺未遂を繰り返した妻と、自閉症の長男を支えながら、必死に取締役まで上りつめるも、突然の左遷人事を言い渡されてしまう。まさに理不尽な半生が浮かび上がる。
会社のためにがんばったのに、なぜ報われないのか。なぜ自分や家族がこんな目に遭わなければならないのか。日々、苦悩と向き合う中で、「何とかなるさ」「成るようにしかならない」という考え方に行きついたという。
物事を楽観的に見るには「期待することをやめること」だ。「こうしてほしい」など、何かに期待していると、その通りにならなかったときの落胆は大きくなる。また、期待をやめれば、今自分が出来る範囲で何とかしようと思う気持ちになるだろう。そうすると、執着や不満も少なくなる。
ただ、期待しないということは、「希望を持つな」「人を信頼するな」ということではない、と。一定の距離を置いて、物事や人を冷静に見るということなのだ。
では、どうしたら「何とかなるさ」という楽観的な考え方が身につくのだろう。その一つが「何かしらの夢や目標を持つこと」だ。夢や目標を持って計画的に生きることは、人生を受け身ではなく、主体的に生きることにつながる。そうなると漫然と生きているより、ひとはずっと強くなる。失敗や不安な出来事が起きても、くよくよせず「何とかなるさ」と前向きになることもできるのだ。もちろんその目標は高くなくてもいい。無理なく出来そうな「ちょっとだけ高い小さな目標」でいい。
そして、運命を引き受けること。妻が何度入院しても、私は離婚する気はありませんでした。私は6歳で父を亡くしています。母は19歳でお嫁に来て、4人の男の子をもうけ、27歳で未亡人になりました。父の代わりに働きに出て、子ども4人を大学まで出しました。
でも、母は一度たりとも愚痴を言ったりすることはなかった。いつもニコニコ笑っていろんなことを語ってくれました。そんな母親がいつも言っていたのが、この言葉です。
「運命を引き受けよう」・・・頑張っても結果は出ないかもしれない。でも、頑張らないと結果は出ないよ、と。私にもいろいろなことが起きました。でも、とても幸せです。
長年生きていると、不安なこともあるし、理不尽な事にあう時もありますよね。 そんな時、つい悪いことばかりを考え、将来に対しての不安ばかりが募り、深く落ち込んでしまうこともあると思います。 でも、「その人に解決できない悩みは起こりません」 いい意味で、「何とかなってしまう」のが人生だと思います。
調子が悪い時こそ、「何とかなる」とポシティブに考えるだけで、少しは気分が前向きになると思います。 前向きになれば大丈夫、何とかなりますよ。